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その場しのぎの 慰め言って みちのくひとり旅

by
フェルナンド・トースト
フェルナンド・トースト
四時五十八分に目が覚めた。
 
五時に起床のアラームをセットしているので、これはもはや体が起きるべき時間を覚えてしまっている、ということなのだろう。
だが、今日は休日だ。三連休の初日だ。この時間に起きる必要など欠片もない。
なんとなく腹が立って、アラームをすべてオフにする。起床、家を出る時間、昼休みが終わる時間ETC...
この際だから、と会社と上司の電話番号を着拒にする。3日経てば解除するし、まず掛かってもこないだろうが。
 
ふと、旅に出たくなった。
 
公私ともに色々なことに行き詰まっているーその閉塞感、からだろうか。少し気障な言い方をするなら「漂泊の思い止まず」といったところか。
とはいえコロナ禍のこのご時世、なんたら宣言も出ている状態、さらには単純な懐具合。確かに三連休と時間はそこそこあるが、あまり長い遠出は出来そうにない。
 
ならば近場はどうだ?
 
そうだ、そういえば数年前関西に来たとき、これは神社仏閣史跡古墳が見放題、と心踊らせたのだった。
ところが日々に押し流されていき、気付けばまだ四天王寺にすら行ってはいない。
 
日帰りでどこかへ。出来れば緑の多いところがいい。
そこで叡山鉄道全線復旧のニュースを思い出す。そういえば災害で一部不通になっていたのだったか。
 
 
そして一路、目指すのは鞍馬。ここに辿り着くにはまず京阪鉄道の終点、出町柳駅まで行き、そこから叡山鉄道に乗り換えてさらに終点、鞍馬駅まで行く必要がある。終点に次ぐ終点、まさに僕が求める「漂泊」にはもってこいではないか。
 
 
 
 
 
鞍馬というと多くの人が源義経を想起するに違いないところではあろう。ここ鞍馬の山中で牛若こと幼い義経は天狗から剣術を教わった、とする伝承がある。そしてこの鞍馬駅もその故事を踏まえて
 
 
駅前に斯様なものがある。なんでもこの天狗の鼻、かつて災害で折れてしまい、最近復旧したとのことだ。本当にいい折りに来れたものだ、と我ながら運の強さに感心する。
 
そしてここから歩くと程なくして鞍馬寺。
 
ここで幼き義経が平家打倒を念じたのか、などと感慨にふける。
頼朝、義経はそれぞれ幼かった故に遠流に留められ、それが後に平家を討ち滅ぼすことになるのだから歴史とは皮肉である。
もっともこれには別の見解もあり、当時公家と交わりの多かった平家をはじめとする西国の武家は文化的な素養が高く、一族を皆殺しにすることに抵抗があった、というのだ。
それをすべて鵜呑みにするのも如何とは思うが、後に平家を滅した源氏は敵対した平家はおろか自らの親族、郎党までも討ち果たした事実を見てしまうと考えさせられるものがある。
 
 
 
鞍馬寺からケーブルカーで山頂へ登り、更に鞍馬山を歩いて貴船神社へ。書くとこれだけだが、この行程がなかなかに骨だった。なにせ舗装もされておらず石段だけ、その石段も地形に合わせて作られているから段差の幅は広かったり狭かったり。高かったり低かったり。ハイキングに行ったことがある人なら体験しているだろう行程だ。
叡山鉄道に来ることなどそうそうないだろうから、沿線の名所を幾つか見ておこう、鞍馬寺からは貴船神社が近い、地図には簡単に歩いていけるかのように描いてある。
 
結果として全く簡単ではなかったが。
 
そうして僕はただひたすらに山道を登り降りしていたわけだ。
そういえば、有名な漱石の「草枕」の冒頭を思い出した。
曰く
「山道を登りながらこう考えた。智に働けば角が立つ。情に竿さしゃ流される。意地を通せば窮屈だ。とかくこの世は住みにくい」
有名な部分なのでご存じの向きも多いかと思うが、僕がこの一節にシンパシィを感じたのは「山道を登りながら」の部分だ。とにかく山道は登るのが大変なので、どうでもいいことが様々に脳裏を駆け巡る。なるほど漱石はこの心境を文章にしたのかと膝を打った。もっとも、既に膝は笑いっぱなしだったので「膝を打ったつもり」くらいだったが。
 
そしてこれが貴船神社。全国に数多ある貴船神社の総本山、なのだそうだ。ちなみにこの地域自体は「きぶね」と読むのだが、この神社は水神を祀っているので濁らず「きふねじんじゃ」になるのだという。じんじゃ、が濁るのはいいのか疑問だったがそこは聞いてはいけないらしい。
そしてこの貴船神社、縁結びの神様なのだそうでこのコロナ禍だというのにカップルが多く来ていた。とっとと帰れ。
 
 
正直、ここまでの行程でひどく疲れたのでもう帰ろうーと叡山鉄道に乗って出町柳駅へ向かう。と、
 
 
 
 
...!慌てて降りる。ちなみに今回の切符は「叡山・京阪一日乗車券」なので叡山鉄道、京阪鉄道全線が今日に限り乗り降り自由なのだ。
一乗寺。何と無くどこかで聞いた名前だとは思っていたが間違いない。かの剣豪、宮本武蔵が吉岡一門を薙ぎ倒したあの「下り松」だ。
昭和生まれの男子には「零戦、大和、タイガー戦車、宮本武蔵」は避けて通れない一般教養である。円周率はよく知らんが大和の主砲が46センチなのは周知の事実なのだ。
この下り松を見逃す訳にはいかぬ。もう陽は南中して暑い日差しを投げ掛けるが知ったことではない。
そして、やってきた。下り松...
 
...住宅地に紛れ、傍には蘇鉄が植えられ。これが、下り松...
ここで武蔵が大立ち回りを演じたとは俄に信じがたい。だが、これも時の流れというものか。そういえば、一乗寺の駅で降りた僕以外の客は僕とは反対方向に進んでいた。後で調べてみると「戦国BASARA」のスタンプラリーだったらしい。
 
 
そして僕の旅は終わったのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と。いうところで。
そろそろ本領といこうか?(笑)
今日鞍馬に行ったのは...これのためでえす!
 
鞍馬駅で配布、先着500名のポストカード!そう、昨日の投稿のタイトルも実はこれの伏線だったのだった!!!(笑)
 
でもまー、山道登ったのはマジです(笑)脚いてー。多分明日筋肉痛だな(笑)
で、今日もその後ひいこら言いながら蹴りましたよ。パリサンスーパー相手にPKまでもつれたのはやはり疲れか(笑)
更新日時:2021/09/25 21:31
(作成日時:2021/09/25 19:19)
カテゴリ
雑談・雑感
コメント( 20 )
20件のコメントを全て表示する
GIANLUCA8WCCF
GIANLUCA8WCCF
9月27日 17時38分

引き攣った顔の御父上様の心中お察し致します(笑)

フェルナンド・トースト
フェルナンド・トースト
フェルナンド・トースト
9月27日 18時8分

怖い顔をした母が父を連れて別の部屋へ行ったのは覚えてます(笑)

GIANLUCA8WCCF
GIANLUCA8WCCF
GIANLUCA8WCCF
9月27日 20時20分

((((゜д゜;))))

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